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HRTF Player (3Dオーディオ再生 / HRTF)

Hrtf Player

概要

HRTF(頭部伝達関数)が格納された SOFAファイル のデータを可視化し、実際に音を聴いて確認(試聴)するためのツールです。 立体音響(3Dオーディオ)の制作や研究において、HRTFデータの特性を直感的に把握したり、自分の耳に合っているかをテストしたりするのに役立ちます。

機能と画面

メインプロット

画面の大部分を占めるグラフは、音源の位置(Azimuth: 方位角、Elevation: 仰角)に基づいたHRTFの特性を表示しています。

  • 横軸 (Azimuth): 水平方向の角度です。0度が正面、-90度が左、90度が右、180/-180度が真後ろです。
  • 縦軸 (Elevation): 高・低の角度です。0度が水平、90度が真上、-90度が真下です。
  • 色 (Color): 選択中のメトリクス(ITDやILDなど)の値を色で表しています。
  • クリック操作: グラフ上の任意の場所をクリックすると、その位置に応じたHRTFでテスト音が再生されます(ワンショット試聴)。

Controls (基本操作)

  • Load SOFA: 分析・試聴したいSOFAファイル (.sofa, .nc) を読み込みます。
  • Metric: ヒートマップに表示する分析データを選択します。
    • ITD (µs): Interaural Time Difference(両耳間時間差)。音が左右の耳に届く時間のズレを表示します。
    • ILD (dB): Interaural Level Difference(両耳間レベル差)。音が頭による遮蔽でどれくらい減衰するかの左右差を表示します。
    • High-band Energy: 8kHz〜16kHzの高域成分の強さ。音の「上下感」を知る手がかりになります。
    • Envelope Peak: 遅延のピーク時間。ITDと似ていますが、群遅延に近い特性を見ます。
  • Sound: クリック試聴時のテスト音の種類を選びます。
    • Click: 短いインパルス音。反射や定位を鋭く確認できます。
    • White Noise: 50msのホワイトノイズ。「サー」という音で周波数特性の変化を確認しやすいです。
    • Band Noise: 8kHz-16kHzの帯域ノイズ。高域の定位感(上下感)の確認に特化しています。
  • Swap L/R: 左右の出力チャンネルを入れ替えます。

Rotation Mode (連続再生・回転)

音楽ファイルを読み込み、音源を周囲でぐるぐると回すシミュレーションができます。

  • Load Music: 試聴用の音楽ファイル (.wav, .mp3 など) を読み込みます。
  • Play Rotation / Stop: 回転再生の開始と停止を行います。
  • Mode: 回転のパターンを選びます。
    • Horizontal: 水平方向(周り)をぐるぐる回ります。
    • Vertical: 垂直方向(上下)を回ります。
    • Manual: 自動回転しません。グラフ上をマウスでドラッグすることで、リアルタイムに音源位置をグリグリ動かせます。
  • Speed: 自動回転の速度(度/秒)を設定します。

使用例

HRTFデータの特性チェック

新しいSOFAファイルを入手した際、そのデータが正しく計測されているか確認します。

  1. MetricITD にします。
  2. グラフを見て、左(-90度)から右(90度)へ滑らかに色が変化しているか確認します。
  3. High-band Energy に切り替えます。
  4. 正中面(Azimuth 0度)で、Elevationの変化に伴って色が縞模様のように変化していれば(スペクトルキュー)、上下方向の定位情報が含まれていることがわかります。

自分に合ったHRTFの選定

パーソナライズされたプロファイルではなく、汎用的なデータベースから自分に合うHRTFを探す場合に使います。

  1. 音楽をロードし、ModeHorizontal にして再生します。
  2. 目を閉じて聴き、音が「頭の中で鳴る」のではなく「頭の外を回っている」ように感じるかチェックします。
  3. Vertical に切り替え、音がしっかり「上」「下」に移動して聞こえるか確認します。
  4. 自分の耳に合わないHRTFの場合、上下移動が単なる音質変化にしか聞こえなかったり、音が頭の中に定位したりします。