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Network Analyzer (周波数特性測定 / FRA)

Network Analyzer

概要

Network Analyzer(ネットワークアナライザ)は、機器やシステムの周波数特性(振幅特性、位相特性)を測定するためのツールです。高速かつ高精度な「Fast Chirp」方式(対数チャープ信号)を使用して、短時間で全帯域の測定を行います。

主な用途:

  • アンプやフィルタの周波数特性(f特)測定。
  • スピーカーやヘッドホンの特性測定。
  • 2つの信号間の位相差や遅延の測定。

基本操作

測定の開始

  1. 「Settings」 タブで測定範囲(Start/End Freq)と振幅(Amplitude)を設定します。
  2. Duration (掃引時間) を調整します。時間を長くするほど、一般的にS/N比が向上します。
  3. Averages (平均回数) を設定します。複数回の掃引を行い平均化することで、ノイズを低減できます。
  4. 「Start Sweep」 ボタンをクリックすると測定が開始されます。測定中は進行状況がプログレスバーに表示されます。
  5. 測定を途中で停止するには、もう一度ボタンをクリックします。

ルーティングとXFERモード

入出力設定

  • Output Ch: 測定信号を出力するチャンネルを選択します(L, R, Stereo)。
  • Input Mode: 測定対象から戻ってくる信号をどこで受けるかを選択します。
    • Left (Ch1) / Right (Ch2): 選択したチャンネルの信号をそのまま測定します。「Single-Ch Mode」の設定により、絶対レベルまたは相対ゲインを表示できます。
    • XFER (Ref=L, Meas=R): Leftチャンネルを「参照信号(リファレンス)」、Rightチャンネルを「測定信号」として、その比率(H = Meas / Ref)を計算します。オーディオインターフェース自体の癖をキャンセルした、純粋なデバイスの特性のみを測定できます(相対測定)。
    • XFER (Ref=R, Meas=L): Rightチャンネルを参照信号、Leftチャンネルを測定信号として使用する逆方向のXFERモードです。
    • Crosstalk L -> R / R -> L: チャンネル間のクロストークを測定するためのプリセットマクロです。

表示と解析

「Display」 タブでグラフの表示方法をカスタマイズできます。

グラフの種類

  • Magnitude Response (振幅特性): 周波数ごとのゲイン(増幅率)または絶対レベルを表示します。単位はdBFS, dBV, dBu, Vrms, Vpeakから選択可能です。
  • Phase Response (位相特性): 周波数ごとの位相のずれを表示します。
  • Group Delay (群遅延): 位相の傾きから計算される、周波数ごとの遅延時間を表示します(「Show Group Delay」にチェック)。
  • Coherence (コヒーレンス): 入出力間の相関(信頼性)を表示します。1.0に近いほど信頼性が高いことを示します。コヒーレンスが低い場合は、ノイズや歪み、あるいはタイミングの不一致(レイテンシ未補正)などが疑われます(「Show Coherence」にチェック)。

表示オプション

  • Smoothing (スムージング): グラフの細かいギザギザ(ノイズ)を滑らかにします。Off/Light/Medium/Heavyから選択可能です。
  • Max/Min Freq: グラフに表示する周波数範囲を制限します。
  • Single-Ch Mode: 1チャンネルのみの入力を使用する場合の表示モードを選択します。Relative (Gain)(出力信号に対するゲイン)または Absolute (Level)(入力レベルをそのまま表示)が選択できます。

キャリブレーション

Latency (レイテンシ) と IR SNR

  • Calibrate Latency: システムの入出力の遅延時間を測定します。正確な位相測定を行うために、ループバック接続をした状態で事前に実行することを推奨します。
  • IR SNR: 最新の測定におけるインパルス応答(Impulse Response)のS/N比を表示します。値が高いほどノイズの少ないクリアな測定ができていることを示します。

Reference Trace (リファレンストレース)

現在の測定結果を「基準」として保存し、後の測定と比較したり、差し引いたりすることができます。

  • Store Reference: 現在のグラフをリファレンスとして保存します。
  • Apply Reference: 保存したリファレンスを現在の測定結果から減算して表示します(フラットな状態からの変化を確認する際に便利です)。

トラブルシューティング

  • Audio stream failed to start. Check ASIO settings: オーディオストリームの開始に失敗した際のエラーメッセージです。ASIO設定(サンプルレートやブロックサイズ)がオーディオインターフェースの設定と一致しているか確認してください。