Network Analyzer (周波数特性測定 / FRA)

概要
Network Analyzer(ネットワークアナライザ)は、機器やシステムの周波数特性(振幅特性、位相特性)を測定するためのツールです。正弦波を少しずつ変化させながら測定する「Stepped Sine」方式と、一瞬で全帯域を測定する「Fast Chirp」方式の2つのモードを備えています。
主な用途:
- アンプやフィルタの周波数特性(f特)測定。
- スピーカーやヘッドホンの特性測定。
- 2つの信号間の位相差や遅延の測定。
基本操作
測定の開始
- 「Sweep Settings」 タブで測定範囲(Start/End Freq)と振幅(Amplitude)を設定します。
- 「Start Sweep」 ボタンをクリックすると測定が開始されます。測定中は進行状況がプログレスバーに表示されます。
- 測定を途中で停止するには、もう一度ボタンをクリックします。
測定モードの選択
用途に合わせて2つのモードを選択できます。
- Stepped Sine (ステップ正弦波方式): 周波数を一つずつ階段状に変化させて測定します。時間はかかりますが、S/N比が高く非常に高精度な測定が可能です。
- Fast Chirp (高速チャープ方式): 低域から高域まで高速に変化する信号(チャープ信号)を使用します。わずか数秒で全帯域の測定を完了できるため、調整しながらの測定に便利です。
ルーティングとXFERモード
入出力設定
- Output Ch: 測定信号を出すチャンネルを選択します。
- Input Mode: 測定対象から戻ってくる信号をどこで受けるかを選択します。
- Left (Ch1) / Right (Ch2): 選択したチャンネルの信号をそのまま測定します(絶対レベル測定)。
- XFER (転送関数モード): Leftチャンネルを「参照信号(リファレンス)」、Rightチャンネルを「測定信号」として、その比率(H = Meas / Ref)を計算します。これにより、オーディオインターフェース自体の癖をキャンセルした、純粋なデバイスの特性のみを測定できます(相対測定)。
表示と解析
「Display Settings」 タブでグラフの表示方法をカスタマイズできます。
グラフの種類
- Magnitude Response (振幅特性): 周波数ごとのゲイン(増幅率)を表示します。単位はdBFS, dBV, dBuなどから選択可能です。
- Phase Response (位相特性): 周波数ごとの位相のずれを表示します。
- Group Delay (群遅延): 位相の傾きから計算される、周波数ごとの遅延時間を表示します(「Show Group Delay」にチェック)。
表示オプション
- Smoothing (スムージング): グラフの細かいギザギザ(ノイズ)を滑らかにします。Light/Medium/Heavyから選択可能です。
- Limit Max/Min: グラフに表示する周波数範囲を制限します。
キャリブレーション
Latency (レイテンシ)
「Calibrate Latency」ボタンを押すと、システムの入出力の遅延時間を測定します。正確な位相測定(特に高域)を行うために、ループバック接続をした状態で事前に実行することを推奨します。
Reference Trace (リファレンストレース)
現在の測定結果を「基準」として保存し、後の測定と比較したり、差し引いたりすることができます。
- Store Reference: 現在のグラフをリファレンスとして保存します。
- Apply Reference: 保存したリファレンスを現在の測定結果から減算して表示します(フラットな状態からの変化を確認する際に便利です)。