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1PPS Monitor (1PPS モニター)

1PPS Monitor

概要

1PPS (Pulse Per Second) 信号を監視し、サンプリングレートの安定性やクロックの偏差を精密に測定するための実験的なツールです。

GPS受信機や高精度クロックソースから出力される1秒ごとのパルス信号を入力し、オーディオインターフェースのサンプルレートとのズレ(PPM: Parts Per Million)をリアルタイムで解析・表示します。

機能と特徴

  • サンプルの PPM 偏差測定: パルスの立ち上がりエッジ間のサンプル数を計測し、公称レートと比較して偏差を表示します。
  • 任意周波数対応 (Target PPS): 1PPS だけでなく、10PPS や任意の周波数のパルス信号を測定対象に設定できます。
  • トリガー波形表示: 検出されたパルス前後の波形を可視化し、トリガー状態を視覚的に確認できます。
  • PPM 表示: 瞬時値 (Instantaneous) と累積平均 (Cumulative Avg) の偏差を PPM 単位でグラフ化します。
  • 異常値フィルタ: ノイズやグリッチによる誤検出を防ぐため、中央値絶対偏差 (MAD) を用いたロバストなフィルタを搭載しています。
  • 入力遅延補正: オーディオインターフェースの入力遅延や手動オフセットを考慮した精密な測定が可能です。
  • 統計情報: 検出数、偏差の平均、標準偏差、最大/最小偏差などの統計情報を表示します。

操作方法

測定の開始と停止

  • Start / Stop ボタン: 測定を開始・停止します。
  • Sync with Audio Engine: チェックを入れると、オーディオエンジンの現在のサンプリングレートを公称レートとして自動設定します。

タブ構成

コントロールパネルは複数のタブに分かれています。

Settings (設定)

  • Sample Rate: 基準となるサンプリングレートを設定します。
  • Target PPS (Hz): 測定対象のパルス信号の周波数を設定します(デフォルトは 1.0Hz)。これにより、10PPS などの信号にも対応します。
  • Outlier Rejection (異常値除去): 突発的な測定エラーやノイズを除去するためのフィルタ設定です。
    • Enable Filter: フィルタを有効にします。
    • Window: フィルタ計算に使用する直近のサンプル数(ウィンドウサイズ)。
    • Tolerance (Sigma): 中央値からどれくらい離れた値を異常値とするかの許容範囲。

Waveform (波形)

検出されたパルスの波形をリアルタイムで確認し、トリガー設定を調整できます。

  • Input Waveform (Triggered): トリガー(パルス検出)された瞬間の前後(デフォルト ±0.5秒)の波形を表示します。
  • Threshold (FS): パルスとみなす信号レベルの閾値。波形グラフ上の緑色の線で示されます。
  • Hysteresis (FS): チャタリング防止のためのヒステリシス。波形グラフ上の赤色の点線で示されます。
  • Latency Compensation: 測定値に対する遅延補正を設定します。
    • Compensate Input Latency: オーディオインターフェースが報告する入力遅延を自動的に差し引きます。
    • Manual Offset (ms): 手動で追加の遅延補正(ミリ秒単位)を設定します。

Display (表示・統計)

  • Unit: グラフの単位を PPM または Seconds に切り替えられます。
  • Show Instantaneous: 瞬時値の表示/非表示を切り替えます。
  • Calibration: 測定値から校正係数を算出・保存します。
    • Stored 1PPS Cal: 現在保存されている補正値(ppm)。
    • Calibrate from Current: 現在の累積平均値をもとに校正を行い、「1PPS Frequency Calibration」スロットに保存します。 > [!NOTE] > 本モニターの校正値をシステム全体に適用するには、Settings ウィジェットの Calibration タブ内で Frequency Calibration Source1PPS Monitor に切り替える必要があります。
  • Statistics:
    • Count: 検出されたパルス数。
    • Inst / Cumul: 最新の瞬時値および累積平均値(PPM)。
    • Rate: 測定から推定された実効サンプリングレート。
    • Mean / Std Dev: 偏差の平均値と標準偏差。
    • Min / Max: 測定開始からの最小・最大偏差。

グラフの見方

  • Instantaneous (点線・黄色): パルスごとの瞬時偏差を表示します。ジッターや短期的な変動の確認に適しています。
  • Cumulative Avg (実線・シアン): 測定開始からの累積的な平均偏差を表示します。長期的なクロックドリフト(周波数オフセット)の確認に適しています。

[!IMPORTANT] 校正の注意点: 「現在値から校正」を実行すると、計算された補正係数が設定に保存されます。この値はオーディオエンジンの周波数設定などで利用されますが、本モニター自体のグラフ表示がリセットされるわけではありません。