Plot Comparer (プロット比較器)
概要
Plot Comparer は、異なる測定モジュール(Spectrum Analyzer、Network Analyzer、Oscilloscopeなど)から取得した複数のプロットデータを共通のグラフ上に描画し、重ね合わせて詳細に比較・分析するためのユーティリティです。
測定結果同士の差異を視覚的に捉えやすくするため、ゲインオフセット(dB単位)の調整、X軸方向(周波数や時間)のシフト、Y1/Y2の2軸表示、対数スケール(Log)の切り替え、ピークを自動で揃える「標準化(正規化)」など、強力な比較アシスト機能を備えています。
主な機能
- 階層型のトレース管理(ツリー表示)
- 読み込んだ複数のトレースをツリー構造で一覧表示。トレース名のダブルクリックで直接名前を変更(リネーム)可能です。
- トレースのカスタマイズ: 各トレースの線の太さを調整したり、独自の色を選択したりして、グラフ上の視認性を向上させることができます。
- トレースごと、あるいは「一次データ(Y1など)」「二次データ(PhaseなどのY2)」ごとに個別に表示・非表示を切り替えられます。
- 強力なアライメント(調整)機能
- Gain Offset (dB): トレースごとにゲインの絶対値を手動オフセットし、重ね合わせやすくします。
- Y-Axis Offset: トレースに線形な垂直シフトを適用します。時間軸や振幅軸でのデータのアライメントに便利です。
- Invert Polarity: 波形を垂直方向に反転(-1を乗算)させます。時間軸での逆相信号の分析に特に有用です。
- Axis Shift (周波数/時間シフト): 周波数軸(Hz)や時間軸(秒)を左右にずらし、位相のズレやタイミングのズレを補正できます。
- Normalize (ピーク自動整列): 有効にすると、各トレースの最大ピークを自動的に整列(アライメント)し、周波数特性の形状やピーク位置の比較を容易にします。
- セカンダリY軸 (Y2) の完全サポート
- 各トレースデータに含まれる異なる物理量(例:ゲインと位相、振幅とディストーション)を、左軸(Y1)と右軸(Y2)に自由にマッピングして同時表示できます。
- インポート / エクスポート
- 測定モジュールでキャプチャされたトレースデータをインポートしたり、比較・調整したトレースを再度 JSON 形式でエクスポートして保存できます。
- インタラクティブカーソルと一括値読み取り
- グラフ上にマウスを置くと、自動的に赤破線の十字カーソルが表示されます。
- カーソル位置(X軸)におけるすべての有効なトレースのY値(Y1およびY2)を自動的に補間(インターポレーション)し、グラフ下部のラベルに一覧でわかりやすく表示します。
操作方法
データのインポートと管理
- 測定データから比較に追加: 各測定モジュール(例:Network Analyzerなど)の比較用データ送信機能を利用して、比較器にトレースを送信します。
- Import File ボタン: 以前にエクスポートした測定データ(JSONファイルなど)をファイルから直接インポートできます。
- Delete / Clear All ボタン: 選択したトレースをツリーから削除するか、すべてのトレースを一括クリアします。
- Export Selected ボタン: エクスポートダイアログを開き、ツリーで選択したトレース(またはチェックされているすべてのトレース)をローカルファイルに保存します。
エクスポートの詳細設定
Export Selected ボタンでトレースをエクスポートする際、以下の詳細オプションを設定できます:
- Export Targets (エクスポート対象):
- エクスポートするトレースを選択します(選択したトレースのみ、チェックされた全トレース、または読み込まれた全トレース)。
- Export Scheme (エクスポート方式):
- 単一ファイルに結合 (Combine into a single file): 選択したすべてのトレースを1つの包括的なJSONまたはCSVファイルにエクスポートします。
- 個別のファイルとしてエクスポート (Export as individual files): 選択したディレクトリに各トレースごとの独立したファイルを自動生成します。
- Format Options (フォーマット設定):
- JSON: 生のデータ配列、軸の定義、メタデータを含む詳細なエクスポート。スペースを節約するためにJSONを圧縮するオプションもあります。
- CSV: 表計算ソフトと互換性のあるエクスポート。区切り文字(カンマまたはタブ)やデータレイアウト(共通のX軸でマージするか、独立した列にするか)をカスタマイズ可能です。
表示範囲と軸の設定 (Plot Range)
- X / Y1 / Y2 軸設定:
- Auto: 有効にすると、表示している全トレースが綺麗に収まるよう自動的にグラフの範囲をスケーリングします。
- Log X / Y Axis: 有効にすると、X軸またはY1軸を対数スケール(Log)で表示します。周波数特性(F特)を分析する際は、X軸の対数表示が自動的に適用されます。
- Min / Max スピンボックス: "Auto"をOFFにすることで、グラフの表示範囲(最小値・最大値)を数値で厳密に固定・微調整できます。
- Normalize (Align Peaks):
- 振幅特性の形状だけを純粋に比較したい場合、これをONにすると全トレースのピーク値が 0 dB(または基準値)に自動でアラインされます。
コントロールパネルの表示切替
- グラフの右側にある
‹/›ボタンをクリックすることで、ツリー表示や設定タブがあるコントロールパネルを非表示(折りたたみ)にし、グラフ領域を最大化できます。